『なぞのチャッタバ』

大蛇が象を呑んだのではない帽子でもない
大蛇が象を呑んだのではない帽子でもない

自分にとってナゾだった事が突然!霹靂に氷解することがある。これまで知らなかった事を知って「そ〜だったのかあ」と不明を恥じずに喜んだりする事もある。

     そのような案件のひとつに「チャッタバ」があった。

渓流に出かけるのが熱だった頃。長野のフィールドに向かうルートの途中、須玉インタを降りて清里を抜けDダム方面への長い坂の大きくカーブする地点にそれはあった。「チャッタバあり注意」という看板表示である。チャッタバって何?何に注意すべきなのであろうか。カーブ?急坂?横断地下道も設置してあったが地下に注意してどうするのであろうか?舗装が荒れていたがハンドルを取られないようにという意味か?

その後何回か通過してやはり気になる探究心。大きなカーブの急坂であるが、車をようよう寄せて調査に向かった。大型トラックが脇をハイスピードで通過するのを横目に虫眼鏡や顕微鏡で観察したが判明しなかった。

   その内に看板も撤去され調査の手掛かりもないまま時は過ぎるが、忘れかけていた「それ」は記憶の引き出しからなくなる事はなく雨の夜や居酒屋での一杯で、ふと蘇る。チャッタバチャッタバ…

 このナゾは10数年後に異国ニュージーランドで解決するのであった。

         NZに仲間とともにフライフィッシングに出かけた。知り合いのガイドBさんの住むクライストチャーチに到着し準備を済ませて一人ぶらりと市中散歩に出かけたところ、左上図のような道路標識を見た。大蛇が象を呑んだのではない「judder bar」に注意とあり、その先のショッピングモール入り口の道路が少しコンモリと凸になっている。

       !突然霹靂氷解!した。

舗装に凸部分を設けて車両の速度を落とさせる仕掛けを「ジャダーバー」というのである。かの「チャッタバ」はこれであったのであった。遭遇時に荒れた舗装と思ったのは凸状盛り上げ加工「チャッタバ=ジャダーバー」であった。外国語の和表記は難しいということか、ね。

(ジャダーには車用語で→クラッチやブレーキを使用した時の異常振動の意あり)